若いからといって安心できない。侵襲性歯周炎とは!?

若いからといって安心できない。侵襲性歯周炎とは!?

皆さんの中で「歯周病」という言葉を聞いたことがある方は多いのではないかと思います。歯周病は、今や国民病ともいわれています。

歯周病にはいくつか種類がありますが、その中に「侵襲性歯周炎」というものがあります。今回はこの侵襲性歯周炎について少しお話しをさせて頂きたいと思います。

侵襲性歯周炎とは主に若い人に多く見られる歯周病です。そのため、以前は若年者に見られる急速進行性の歯周炎を総括して「早期発症型歯周炎」と呼ばれていましたが、1999年にアメリカ歯周病学会(AAP)より新たに「侵襲性歯周炎」という診断名が付けられました。

 

 

侵襲性歯周炎には以下の特徴があります。

 

① 若年者に多く見られる

一般的に歯周病は年齢が高くなればなるほど、リスクが高くなります。年齢が上がるにつれて症状も進行しやすくなります。

しかし侵襲性歯周炎は、10歳~30歳代が多く、日本における侵襲性歯周炎の罹患率は難病センターの平成24年度の報告によると0.05~0.1%とされています。

② 歯周病が急速に進行する

一般的な歯周病は、全身疾患やプラーク(歯垢)の付着量に依存しており、プラーク中の歯周病菌の出す毒素によって緩徐な歯周組織破壊が起こります。

しかし侵襲性歯周炎の場合は、プラークの付着量が少なく、全身的に健康であるにも関らず、急速な歯周組織破壊が起こります。

侵襲性歯周炎は、上顎から下顎まで全体的に症状が現れる広範型と、前歯と6歳臼歯ともよばれる第一大臼歯に症状が限られる限局型の2種類に分類されますが、広範型、限局型どちらの場合も歯槽骨(歯を支えている骨)の吸収が顕著であることが特徴です。

③ 治療が難しい

侵襲性歯周炎はプラークの付着量とは関係なく病状が進行します。プラークや歯石の量は少ないのに歯周ポケットが深く、また歯槽骨の吸収が顕著であるため、一般的な歯周病治療では治療の効果が現れにくく、難治性の傾向を示します。

④ 特異的な歯周病菌が関与

侵襲性歯周炎に関与する細菌のなかに、特異性のある細菌が確認されています。それが、「A.a菌(アグレガチバクター・アクチノミセテムコミタンス菌)」と呼ばれる細菌です。A.a菌は侵襲性歯周炎の患者さんから高く検出され、健康な歯周組織を持つ方からはほとんど検出されません。

⑤ 家族が同じように発症する傾向がある

侵襲性歯周炎は遺伝的要因が関与しており、家族が同じように発症する(家族内集積)傾向があります。

 

 

 

このように、侵襲性歯周炎の発症や病状進行には、特異性のある細菌や遺伝的要因が関与していると考えられていますが、その詳細については未だ不明な点が多く、解明には至っていません。日本歯周病学会でも、日本人の侵襲性歯周炎の病態や治療法を確立していくため、全国の大学病院を中心として日本人の侵襲性歯周炎データベースの構築が積極的に行われています。また、岡山大学病院では医科歯科連携で対応する「侵襲性歯周炎センター」を開設したりと、現在侵襲性歯周炎の病態解析研究が盛んに行われています。

 

 

侵襲性歯周炎の治療において一番大切なことは早期発見・早期治療です。

治療方法は、一般的な慢性歯周炎と同じく「プラークコントロール」が主体となりますが、侵襲性歯周炎の場合は少量のプラークが残っているだけでも病状進行のリスクとなるため、抗菌薬を併用したうえで徹底したプラークコントロール(プラークや歯石の除去)や外科的に歯周ポケットを除去する処置、短間隔でのメインテナンスが大切になってきます。

若いから大丈夫と自己判断するのではなく、歯茎が腫れたり出血がある場合は必ず歯科医院で一度検査してもらいましょう。

 

 

いいじま歯科クリニックでは、初診の患者さんに対して、お口の状態とレントゲン写真から総合的に判断し、歯周病のリスクが高い方に対しては位相差顕微鏡による細菌検査(プラークを少量採取し、顕微鏡を通して歯周病菌の活動状態を把握する検査)を行うように推奨しています。

以前のブログにも書いてありますが、「歯周内科治療」も積極的に行っています。侵襲性歯周炎にとどまらず、歯周病の進行のリスクが高い方には歯周内科治療をおすすめしています。

歯周内科治療を受けられた場合、顕微鏡による細菌検査とは別に、PCR検査を実施し(コロナの検査とは違います)、より詳細に歯周病菌の種類の同定を行います。

その上で抗菌薬の全身投与を併用したプラークコントロールを行い、お口の中の細菌環境を整えることで歯周組織の状態を改善していく治療です。

歯周内科治療について、詳しくはこちら(https://iijimadental.com/2022/02/)をご覧下さい。

 

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

 

 

 

 

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