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ヤマダエンドセミナー第7回に参加してきました!

皆さんこんにちは。

いいじま歯科クリニック勤務Drの渡部清人です。

 

先日、ヤマダエンドセミナー第7回に参加してきました。毎月京都で開催される研修会ですが、最終回が11月の予定です。今回の9月分を合わせて、あと3回で終わってしまうかと思うと少し寂しい気持ちです。

 

今回は、台風の影響もあり、京都に行けるのかな?と大変心配しておりましたが、台風が上手く逸れてくれたおかげで、何とか飛行機が飛んでくれました。皆さんは大丈夫でしたでしょうか?

 

この度のセミナーでは、①炎症性歯根吸収歯の根管充填と②歯の再植について学んでまいりました。

順番に説明していきます。

まず①です

根管治療には、様々な治療がありますが、どんな治療においても共通しているのは「根管内の無菌化」「新たな細菌が侵入しないような緊密な封鎖」この二つを目的とした処置であるということです。

➀の炎症性歯根吸収歯についても、このコンセプトは同じです。しかしながら、このケースにおいては、通常の根管充填では、緊密な封鎖を得ることができません。

炎症性の歯根吸収というのは、根っこの先に多くの膿が溜まってしまうと、根っこの先端が一部溶けてしまうという現象です。

根っこの先端が溶けてしまい、基本的な解剖学的な形態が失われてしまうと、通常の根管充填では治らないと言われています。

さて、それでは、どのように対応すればよいのでしょうか?

答えは、「使う材料を変える」です。日本の保険診療では、ガッタパーチャと言って、樹脂の材料で根管充填を行います。しかしながら、それではこのケースには対応困難なため、  MTAセメントという生体セラミックスを使用しなければいけません。MTAセメントは海外の根管治療では一般的に用いられる根管充填の材料ですが、日本の保険治療では認められていない材料です。生体親和性や抗菌性など様々な観点から、現在世界で用いられている根管充填材のうち最も優れた性質の材料であると言われています。保険制度で認められていない材料を使うとなると、保険は適用外となり、MTAを使用した治療は日本では自費治療になってしまいます。

 

自費治療は、時として保険治療の10倍以上の費用が必要でがなり高額な治療になります。しかしながら、根管治療においては、自費材料を使わないと、抜歯になるケースというのが多く存在します。金額はかかるかもしれませんが、自分の歯を残していくためにやる価値は非常に大きいと思います。

 

現在当院では、根管治療を保険のみで行っておりますが、今後はより多くの歯を抜歯せずに済むよう、近いうちに自費の根管治療を導入していきたいと考えております。

続いて

②の再植です

再植は、読んで字の通り、「再び植える」という治療法です。

こちらも①同様、普通の根っこの治療では、治らないケースに適用される治療法です。はじめに言ってしまうと、こちらもMTAセメントが必須の治療法になりますので、自費治療になってしまいますが、本来抜歯になってしまう可能性がある歯を救うための、重要な治療法です。

再植は、根の中の消毒だけでは、治らないケースに用いられる治療法です。術式としては、最初に通法通りの根管治療を行います。根っこの中の消毒が終わったら経過を見ます。この時点で治ってしまえば、わざわざ再植を行う必要はなく、ここで終了です。しかし、全く状態の改善がなければ、再植に移行します。

再植予定の歯を抜歯し、口腔外に取り出します。根っこの周りの汚染を除去し、根っこの先からMTAセメントを詰め、根尖を緊密に封鎖します。これで歯側の準備はOKです。

※右の写真の根っこの先端に詰めてある白いのがMTAです

今度は歯が埋まっていた場所への処置です。歯が埋まっていた部分にもかなり多くの感染組織がありますので、こちらを綺麗に取り除いていきます。完全に取り除いたら準備完了です。口腔外できれいにした歯をもともと埋まっていいた場所に埋めなおし、縫って固定します。その後2週間~3か月後に固定を取り除くと、もう一度歯が機能し始めます。再植の後はかぶせ物の治療は必要になりますが、抜歯になるはずだった歯が、比較的短期間で復活する可能性がある非常に有意義な治療と言えると思います。

 

もちろんすべての歯に再植が行われるわけではないので、状況が悪すぎる場合には抜歯を行う他ありませんが、再植は残すのがかなり難しい歯を残すための最後の砦になると思います。

 

今後も知識と腕を磨き続けてより多くの患者さんの悩みを解決していきたいです。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。また、来月お会いしましょう!

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