経営塾ベーシックコース 第4回に参加してきました!
皆さま、こんにちは。
いいじま歯科クリニックで歯科医師をしております渡部と申します。
先日、11月30日に「地域一番実践会」主催の経営塾ベーシックセミナーを受講してまいりました。前日には前夜祭も開催されており、そちらから参加させていただきました。
この前夜祭は、他の参加者の方々と交流を深めることができる貴重な機会です。参加者には、他院の院長先生や勤務医の先生方をはじめ、医院を支えるスーパー歯科衛生士さん、受付・事務スタッフの方々など、様々な職種の方がいらっしゃいました。立場や役割は違えど、患者さんにより良い歯科医療を届けたいという想いは共通しており、意見交換を通じて多くの刺激を受けることができました。
特に、同年代で活躍されている方々の話を聞くことは、大変刺激になり、「自分ももっと頑張ろう」と背中を押されるような体験でした。
さて、今回のセミナーで取り上げられたテーマの一つが「自費率」についてです。
自費率とは、歯科医院の収入のうち、保険診療ではなく自由診療によって得られる割合のことを指します。一般的に、日本全国の歯科医院の平均自費率は10%程度と言われています。つまり、仮に月間の売上が1,000万円の歯科医院であれば、そのうち約900万円は保険診療、残りの100万円が自由診療によるもの、というイメージです。
ところで、実際の歯科治療の大部分は、保険診療の範囲内で行うことが可能です。虫歯や歯周病の治療、被せ物や入れ歯など、多くの治療は保険適用で対応できます。その一方で、なぜ自費治療が存在するのでしょうか?
それは、歯科治療が非常にオーダーメイド性の高い医療だからです。患者さんごとに歯の状態や噛み合わせ、歯並びが異なるため、使用する材料や器具、治療手順まで個別に最適な方法を選ぶ必要があります。
自費診療では、保険診療では使用できない高品質な材料や技術を用いることができます。例えばセラミックの被せ物は、見た目の美しさだけでなく、強度や耐久性にも優れています。治療費としては1本あたり数万円~十数万円かかることもありますが、それだけの価値があるものです。
逆に、数千円で提供される保険の被せ物が「本当に大丈夫なのかな?」と感じられる方もいらっしゃるかもしれません。実際、保険診療は「最低限の治療」とも言われ、どうしても再治療が必要になるケースも少なくありません。
つまり、「一度きちんと治して長くもたせる自費治療」と、「再発を前提に定期的にやり直しをする保険治療」という2つの選択肢があると言えます。
もちろん、どちらを選ぶかは患者さん自身の価値観やご事情によって異なります。ただ、こうした違いを十分に理解されたうえで治療を選んでいただくことが、私たち歯科医師にとってとても大切なことだと考えています。
実際、「最初は安い保険の方でいいかな」とおっしゃっていた患者さんが、治療の違いやメリット・デメリットをご説明すると、「それならセラミックにします」とご納得いただくことも少なくありません。
患者さんが正しい情報を知らないまま、保険診療で自動的に治療が進んでしまうことは、大きな不利益になりかねません。「自費治療=高い治療の押し売り」というイメージを持たれることもあるかもしれませんが、決してそうではありません。
大切なのは、「本当に良いものの価値を理解していただくこと」。歯科治療に対する意識が少しでも高まっていただけるよう、これからも丁寧にご説明を続けてまいります。
今後も学びを深め、よりよい医療を患者さんに届けられるよう努めてまいります。最後までお読みいただきありがとうございました。



