第41回日本小児歯科学会北日本地方大会に参加しました
こんにちは。いいじま歯科クリニック 勤務医の腰越です。
10月8日に福島県にて開催の第41回日本小児歯科学会北日本地方大会に参加させていただきました。
今回のテーマは「こどもたちの健康と健口を守るために」です。
小児の口腔機能発達不全や機能低下は健全な全身の発育に大きく影響を及ぼすことがわかっています。お子さんの健康的な生活を送っていただくためには、口腔機能の発達についてこちらも理解を深めていくことが必要です。
当日は小児の口腔機能についてのご講演をいくつか聴講できましたので、一部をご紹介します。学童期では、舌機能のトラブル、舌や口蓋扁桃、咽頭扁桃などの形態のトラブルを早期改善することで不正咬合の改善につながります。それぞれのトラブル解消のための舌トレーニングの方法や、必要に応じての軟組織切除・摘出術、機能と整形トレーニングに用いられる装置について学びました。
※ランチョンセミナーのカニプラフ おいしかったです。
また、障がい児の口腔機能と摂食嚥下障害に対する改善指導についても聴講しました。
障がい児への摂食嚥下指導では口腔機能の再獲得を目指すのではなく、未獲得な状態から獲得状態へとまず誘導し、発達成長の道筋にのせていく発達療法の考え方と、主治医や教育・保育の場との密な連携をとることが重要になります。また、親子関係含めて保護者の方への配慮も忘れてはいけません。
講師の先生の、ただの機能訓練ではなくお子さんの「食べること」と保護者の方の「子育て」が楽しくなるような生活支援を心がけるべきであるというお言葉が印象的でした。
※スイーツセミナーのご当地パン おいしかったです。
また、開催地が福島県ということで12年以上前の東日本大震災の放射能事故をふまえて、事故後の福島県の健康状況とからめて「放射線」を今一度正しく理解するためのご講演もしていただきました。
内容の一部をご紹介しますと、国連委員会UNSCEARからの最新の報告書より、放射線被ばくに伴いガン患者が増加したという可能性は低い、と発表されているとのことです。むしろ放射線被ばくよりも災害の避難生活によりかかりつけ医への定期通院が困難になったことによる生活習慣病の悪化の増加、生活の変化による精神的な影響と高齢化に伴う介護費用の増加といった環境変化による健康被害の増大が大きな課題となっていることを知りました。
本学会は一日のみの開催でしたが、新たに得た情報も多く充実した一日となりました。来年の開催地は新潟県とのことで、また参加したいと思っています。